プチ整形

「わー、その髪可愛い! 極楽鳥?」

 

「うん、極楽鳥。あ、ミーコもその爪カッコイイじゃん。ヒョウとか?」

 

「えへへー、これはね、サーベルタイガーなんだ」

 

「えっ、うそ! サーベルタイガー入荷したんだ?」

 

「限定だけどねー、知り合いがいてさ」

 

「いいなあ、限定かあ。あ、でも私、今度、ギンギツネの尻尾つけようと思ってるんだよねえ」

 

「え、でもあれさあ、尻尾を動かすまでに相当筋トレ必要らしいじゃん?」

 

「それは頑張るよー。せっかくつけても動かないと魅力半減だし」

 

「だよねえ。……尻尾かあ、私も考えてみようかなあ」



 未来、人々の間には、局所的にDNAを埋め込むことで、特定の動物の羽毛や爪、尻尾までをも生やす、プチ整形が流行っている。

 この流行は後に、埋め込まれたDNAの暴走による人間のキメラ化という、重大な社会問題に発展するのだが、彼女たちはまだそれを知らない――。

 

【1分で読める超短編小説集】(山野ねこ) - カクヨム